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ブランドの価値観をスタイリングに変える

国内外約40にわたるVINCENT&miaの取り扱いブランド。アイテムの特色はもちろん、デザイナーの描くヴィジョンや背景、時代性と普遍性のバランスなど、店頭でご提案するまでの過程には、セレクトショップの立ち位置に欠かせないセオリーがあります。

売れるから売るよりも、売りたいから売る。確信できる一品に出会うために、足を運ぶ国内外の展示会は年間100会場以上。実際に手に取り袖を通していくなかで、ブランドが持つ世界観に触れ、VINCENT&miaとして表現したいスタイリングを探しています。

セレクトショップの視点で記すレコメンド

直営店とは異なる視点で切り取る、地方セレクトショップ発のブランド批評。それぞれの魅力をより深く知っていただくため、VINCENT&miaとの関連性、着こなすシーンや着まわしのアイデアを踏まえてご紹介していきます。

 




小物選びで幅広い着こなしにアプローチ

スタイリングのアクセントに、時にはその要ともなる小物類。なかでもハットやキャップ選びは、ファッションを楽しみ、より幅広い着こなしにアプローチする効果的な手段のひとつです。 

2005年からこれまで、前身の「クール(2013年よりブランド名称変更)」から12年にわたり取り扱いを続けている「キジマタカユキ」。ブリティッシュ、トラッドを基軸のラインとして提案する、VINCENT&miaのレイヤーに必須のテイストとして多くのファンを持ち、近年さらに展開の幅を広げるハット・ブランドをご紹介します。

顔に馴染む、服に馴染む帽子をとどける

実はバイヤー自身、取り扱い前から同ブランドのハット、キャスケットを愛用するファンのひとりでした。質感という意味では「ボルサリーノ」のレベルに納得でしたが、顎や頬骨のライン、ハチの幅など、日本人の特徴を補完するデザイン、なおかつ被り心地よく上質なハットを、他に見つけることができなかったからです。

顔の形がキレイに見える。洋服を含め、全身の像のなかでのバランスが計算されている。使い手をリアルに想像するからこそメイドインジャパンという概念は、国内メーカーで秀でており、2〜3追従するメーカーは認識していますが、まだまだ追いつけていません。また、自社工房を持ち、デザイナー自らが職人であることも大きな特徴です。

ペーパークロスは手作業で編み込み、ハットのプレスも自らの手で。金型は基準に過ぎず、自らの手の感覚でひとつひとつ微調整を重ねる。これだけ認知された今でもなお、ほぼ全ての行程を自社の工房で行っています。品質管理はもちろん、細やかな仕様変更、新素材への展開など、職人的価値観と時代感を両立しています。

きらびやかな羽根飾りやテクスチャー、単品で所有欲を満すかっこ良さではなく、キジマのベクトルはその逆。まわりの環境に馴染み、被る人のスタイリング全体を引き立てるものです。5年10年、余裕で愛せて頼りになる。新しい着こなしの挑戦をいつも支えてくれる。その実感があるからこそ、今後も店頭にあり続けていきます。

 



ハイエンド素材で日常をより高いレベルに


近年は、ハット、キャスケットなどトラッド基軸のラインに加え、ベースボールキャップをはじめ、ストリート的な雰囲気を持つアイテムの進化が印象的。カシミア100%や上質ウール、レザーといったハイエンド素材を落とし込むことで、幅広いスタイリングに対応し、日常もフォーマルもより高いレベルで楽しませてくれます。

例えば、THE RERACSのチェスターコートに、レザー使いのキャップをあわせて。モードライクなアイテムにストリートな風合いを加えるスポーティーな提案が気分です。アウターの質感に負けないラグジュアリーな素材感。デザイナー自身のルーツもモード界にあり、細かなディテールのムードが調和を引き立てます。

逆に、ライダースやGジャンといった定番アイテムに、カシミアのキャスケットを加えてみる。ブリティッシュな着こなしに、そこはかとなくモードな雰囲気を。革靴や鞄など他の小物とのバランスで、さらにスタイルの奥行きをつくっていけます。クローゼットに眠ったままの一品を、今に活かせるかも知れません。

帽子は靴、鞄などと比べ、必須なアイテムではなく、また、帽子を被ることに苦手意識を持たれる方も多くいらっしゃいます。しかしこのように、スタイリングの効果的なアクセントとして、ひとつの洋服を全く異なる印象で表現することもできます。なくてもいいものをわざわざ加える面白さ。ぜひ試してみてください。




注目アイテムとスタイリングへのヒントを

○写真上左:キャスケット

クラウン部分にボリュームを持たせたシルエットで、顔周りをソフトな印象に導いてくれます。上質カシミアの混素材でクラシカルに。男性はブリティッシュなスタイリングに、女性はチェスターやモッズコートとあわせたメンズライクな仕上がりをご提案したいです。

○写真上右:ベースボールキャップ
カシミアや山羊革、フェルト×レザーなど、様々な高級素材をキャップに用いていく今期注目の切り口。キャメルやグレーなど、アウターやパンツ、靴と、同系色でのまとめを推奨。THE RERACS、MARNIなどモードライクな洋服にも引けを取らず調和する一品です。

○写真下左:マリンキャップ
近フェミニンな印象になりがちなマリンキャップを、スウェード素材で大人な表情に。リボンやコンチョなどの装飾を省き、柔らかな山羊革でシンプルにかっこよく。ボーダーやインディゴといったマリンテイストなアイテムとのコーディネートは間違いありません。

○写真下右:ニットキャップ
トレンドを問わず毎シーズン好評のベストセラー。シンプルながら立体感のある編み目で上質な存在感を。素材はウールですが、コットンタッチのため、春先まで使うことができます。コート、ブルゾン、シャツと、トップスを選ばず使っていける万能選手です。


 

PROFILE OF KIJIMA TAKAYUKI

1995年、木島隆幸がブランド設立。
様々な事柄から伝わる時代の空気感を独自の視点とバランス感覚で取り入れトータルコーディネイトで生きるデザインを強く意識したブランド。
職人の丁寧な手作業で生み出される一つ一つの商品は、高品質かつ独自の製法による柔らかさにより機能性に優れ、シンプルな装いの中にも存在感のある帽子です。
http://www.kijimatakayuki.com/

 

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