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ブランドの価値観をスタイリングに変える

国内外約40にわたるVINCENT&miaの取り扱いブランド。アイテムの特色はもちろん、デザイナーの描くヴィジョンや背景、時代性と普遍性のバランスなど、店頭でご提案するまでの過程には、セレクトショップの立ち位置に欠かせないセオリーがあります。

売れるから売るよりも、売りたいから売る。確信できる一品に出会うために、足を運ぶ国内外の展示会は年間100会場以上。実際に手に取り袖を通していくなかで、ブランドが持つ世界観に触れ、VINCENT&miaとして表現したいスタイリングを探しています。

セレクトショップの視点で記すレコメンド

直営店とは異なる視点で切り取る、地方セレクトショップ発のブランド批評。それぞれの魅力をより深く知っていただくため、VINCENT&miaとの関連性、着こなすシーンや着まわしのアイデアを踏まえてご紹介していきます。

 




長いスパンで、さらにメインストリームを引き込む予感

前回ご紹介したYAECAとは対照的なベクトル。
トラッドを基軸に、攻めのモードを感じさせる「THE RERACS(リラクス)」をご紹介します。 

当店での取り扱いは2011年春夏ラインから。2010年の立ち上げから間もなく、初の地方路面店への展開として、ブランド側からご提案いただきました。あらかじめVINCENT&miaの商品構成や特色をリサーチされたうえでのアプローチ。商品を見るより顔を見るより先に、デザイナー・倉橋氏と2時間にわたる長電話。共通する価値観に惹かれ展示会に向かいます。

会場でまず目に飛び込んできたのは、現在のリラクスを代表するモッズコートの原型となるもの。まだ手探り感はあるものの、商品の随所に光るものを見つけます。特に縫製と生地は、これまで出会ったどのブランドのデビュー時よりも確実に頭ひとつ抜けていました。アイテムや構成全体から受けた印象もちろんですが、それが取引を決めた一番のポイントです。

メンズライクなアイテムにも関わらず、エレガントでありモードであり、女らしさ、毒気、色気に新しいトレンドを想像したり。当初は特に女性のアイテムが目立っていました。トレンチ、ピーコート、モッズコートなど王道のアウターは、スタート直後から顧客様の評価を獲得。その他、シャツやワンピース、スカート等もゆるやかに浸透していきました。

リラクスの洋服は毎シーズン、アウター類は特に、大きな変化ではなく素材やシルエット・パーツの細やかな更新を重ねています。トレンドにあわせて提案をころころ変えるブランドが多いなか、手を変え品を変えない。軸をぶらさずに品質を磨き、長いスパンでトレンドをつくる。その姿勢に、販売する私たちも袖を通すお客様も絶対の信頼を置いています。

 

ただ洋服をつくりたい。一着一着へかける愛情が桁違い

取り扱いからこれまで年に2度必ず。デザイナーの倉橋直美氏はVINCENT&miaの店頭に立ち、新作の発表・受注会を行ってきました。ブランド立ち上げに向けて6年、接客販売の経験を重ねた彼女のコミニュケーションは、洋服デザイナーとして有り余るダイレクトさ。着る人とふれあう密なリサーチによって、より高い精度でフィードバックされています。

ものづくりの人としてお伝えするなら、日本でいちばん服のことを考えている人。生産に関わる全ての工場をまわり、製造者一人一人と顔をあわせる。ファスナーなどの金具も全て独自に設計・国内生産。特別な梱包を用い、必ずハンガー掛けでプレスを保ったまま出荷。店頭での検品、保管、陳列の状態にまで気を配る。一着へかける愛情が桁違いなのです。

生地も選ぶのではなく、糸をつくる段階から発注。例えばモッズコートのカーキ色も、よりグレイッシュで日本人の顔映りがいい色調を開発。海外のハイブランドが、リラクス製の生地を選ぶこともままあり、さらに近年はパリ、NY、ロンドンの有名百貨店、セレクトショップの目にとまり展示会も頻繁に行っています。ここまでしてメイド・イン・ジャパン。

朝から夜まで洋服づくり。お食事に行っても洋服の話。海外、日本のブランド、今の動向、自分のブランドとの比較。普通なら1時間で飽きそうな話を、3時間でも4時間でも、言葉は悪が洋服バカ…だから私たちの夢も広がる。色々な洋服を着てきたお客様ほど、リラクスの品質と価格のバランスに賞賛されます。きっとそこに込められたつくり手の個性にも。

 

 

ポジティブを身に纏う。もう一歩、違うステージを

レディス・メンズとも、特にアウター類はスタイリングの完全な主役に。VINCENT&miaのラインナップのなかではモードライクな位置づけとなり、身に纏い武装するタイプの服であることに間違いありません。しかし、弱点を補う・隠す以上に、着る人の気分を持ち上げ、ポジティブに攻めていける一着になれるのがリラクスの持つ魅力のひとつです。

例えばこれまで様々な洋服に袖を通してきた方から、黒のコートが欲しいというリクエストを受けた場合、リラクスを越えるご提案は難しいとさえ思います。黒はもうたくさん着たから…と思っていても、もう一歩違うステージを見せてくれます。性別問わず、20代〜40代の幅広い層、YAECA、SCYE、SLOWGUN好きな方にも受け入れられています。




今期注目したい、3つのアイテムをご紹介します

○写真左:M65 ショートモッズコート

素材・シルエット・ディテールとも、毎シーズン練り上げて更新し続けている代表的なアイテムです。リラクス・オリジナル素材を採用。ナイロン+エステルの高密度な織りと、見えない起毛加工によって肌触りよく高級感を表現。ビスチェに使われる弾力性の高いワイヤーを使用。美しい円形のシルエットとボリューム、立体感を持つフード部にも注目です。

○写真中:ルーズチェスターコート
上記コートと同様のオリジナル素材。モノトーンが主となるなか、新色のベージュは注目の展開。他ブランドでは類似のない素材感と高級感のある色味を確かめてみてください。バストから下に向かって少し広がるAラインが特徴。身頃部分に無駄なシワがでないミニマルなデザイン。腰ポケットもシルエットを生かす縦型の両玉縁に設計されています。

○写真右:コーチジャケット
近年さらに人気を増す、メンズラインの新型アウター。ストリート(シュプリームやSTUSSYなど)な印象が強い、ナイロン素材のコーチジャケットですが、良質な生地の素材感で大人っぽく着こなせます。通常のナイロンより肉厚地なため、使えるシーズンが長いのも嬉しいポイント。撥水加工、形状記憶加工でデイリーに着やすく重宝する一着です。


 

PROFILE OF THE RERACS

2010年3月、倉橋直美が「THE RERACS」をスタート。
定番的なウェアに現代のエッセンスを加え、ワンシーズンにワンアイテムをスクラップ&ビルドしていくことで現代的なウェアに焼き直していくブランド。決して奇抜なデザインをすることなく、クオリティと実用性に裏付けされたものづくりを続け、 MADE IN JAPANの新しいトラディショナルウェアを提案し、それを残し続けている。
http://thereracs.net/

 

 


 

 
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