ONE PLUS ONE 1+1 conference _2013
2022.08.28
ONE PLUS ONE 1+1 conference
〜ZINGINAKI CINEMA EDITION〜
 
 

ZINGINAKI
CINEMA EDITION


「お洒落して遊ぶ+遊びのなかで学ぶ」。「ZINGINAKI CINEMA EDITION」と銘打ち、2013年9月21日、広島市街地の映画館「八丁座」で開催。質の高い遊びと学び、幅広い世代との出会いを同封。開催前から多方面で反響を呼び、当日は約400名の来場者が会場を埋め尽くしました。

スタイリング講座、2本立ての映画上映、パーティー、飲食・物販の特設ブースなど、2つのスクリーンとラウンジ。3つのスペースで同時併催された様々なコンテンツ。ファッションというキーワードから派生するカルチャーミックスが、真夜中の映画館で浮き彫りに。

舞台は真夜中の
ムービーシアター


会場の「八丁座」はフィルム映写や音響、内装をはじめ、随所に上質への思想が活かされた地場劇場。前身から数え100年以上の歴史を持ち、シネマ文化を継承し続けています。当然普段は映画を「観る、感じる」ための空間。映画館で「遊びたい!」というわがままな動機を受け入れ共催させていただきました。


イベント前半「シアター壱」では、様々な映画のワンシーンから読み解く、ライフ・スタイリング講座を開催。同時にエントランスホールは、パーティースペース、「シアター弐」には照明演出と花魁のインスタレーションが加わった、サロンスペースとして展開していきます。


イベント中盤から、スクリーンでは公開40年を迎えた『仁義なき戦い』のアナログフィルム、ドキュメンタリー『ダイアナ・ヴリーランド〜伝説のファッショニスタ』を上映。映像と音響、ゆったりしたソファに沈み込みながら、映画の世界に惹き込まれていきます。


一方、エントランスホールにはDJ沖野修也を迎え、ダンスホールさながらの華やかさ。クラブやホールでのパーティーとは一味違う、非日常・異空間な盛り上がりを見せていました。映画『パルプフィクション』をオマージュした特製バーガーやシェイク、「八丁座」の和の空間にマッチした日本酒バー、TSUTAYAの書籍&DVDコーナーなど、様々なコラボレーションブースも今回の特徴。ファッション+シネマというテーマから思い思いのベクトルで派生したカルチャーミックスは、まるでひとつのフェスのように、賑やかさと心地よさが同居していたように感じます。 
  
 


シーンへの想像が織りなす
カジュアルミックス


今回はドレスコードやカラーコードを意図的に設定しませんでした。映画館+パーティーという例を見ない設定を、参加する方々が自分なりに深読みしてもらいたかったからです。結果、この一夜のシーンを多くの方々が想像し、自由に捉えて表現されていた印象です。好きな映画のテイストを取り入れるなど、いろいろな形のミックスが着こなしに活きていました。


特にチェックや長丈コート、昭和感のある髪型、メガネなどトレンドプラスのカジュアルダウンに感度の高さを感じました。パーティーに不可欠な華やかさを、素材感ではなく、柄や色調で表現したスタイリングが目立ち、会場はハッピーなムードに。前回と比べ、20代の若い世代が多く参加。その勢いや感性から広島のファッション事情に次世代の光を感じました。





 
  
 


映画から読み解く
ライフタイリング


映画から読み解くライフスタイリング。数々の映画のシーンをスクリーンに投影しながら、スタイリストとDJならではの目線で捉えた、通常の映画批評とは異なる切り口で、ライフスタイルに落とし込めるアイデアソースが共有されました。


「DVDや劇場、移動中の飛行機で、週に4〜5本は映画を観ている」という沖野修也氏。「映画に影響されやすい。ファッションも、お酒の飲み方や…音楽も」と語る祐真朋樹氏。


最初のテーマとなったのは「007」シリーズに見るジェントルマンスタイル。「ベスト・オブ・ボンドはショーン・コネリー。ダニエル・クレイグのモダンなスタイルもあり。その他は無し!(笑)」という秒殺な回答から理由が掘り下げられます。ファッション、女の口説き方、お酒の飲み方、嫌みのない所作。例えばカジノやパーティーにて、ここ一番でのドレスアップ。


「パーティーには恥ずかしい格好をして行こうとすればいいんじゃないですか? 『キメちゃおう!』みたいな。さりげなく、○○なテイストでハズして…とか、みんなハズしちゃったらパーティーじゃないってたまに思う」。「みんな照れ隠しになっちゃうと、みんな結局下はジーパン、穴開いてるみたいな(笑)。それは昼間でええやろ!と。たとえものすごく浮いてても、それもいい」。


続いてボンドガール、ゴダール作品へのレビューをきっかけに、コミュニケーションの質について言及。「ボンドもそうだし、ゴダール作品も、パルプフィクションのブルース・ウィリスもそう。ベッドルームでの会話が長い。ピロートークじゃない、いやらしい話じゃない。センスが問われるんです」。「それがキーになることが多いんです。いろんな映画の中で。騙す騙されるだけじゃなくて、日本人に足りていないコミニュケーション。自分たちの生活の質をあげるヒントも、そこにあるんじゃないかと」。


セリフにない背景を
ファッションで紐解く


ゴダール作品、Qタランティーノ作品からは、ファッションが持つ視覚効果、衣装でのみ無言で語れるストーリーといったテーマに踏み込みました。「勝手にしやがれ」ジャン=ポール・ベルモンドの着ている洋服は、なぜサイズが大きいのか。「パルプフィクション」ジョン・トラボルタが、ディナーにループタイを選んだ理由。「レザボアドッグス」低予算のなかきっとノーブランドであろう、ブラックスーツの群れが持つ意味。監督はそこになにを掛けたのか。


映画の台詞でその理由が説明されることはない。ファッションの知識を持たない映画批評家では気づくことができない、それぞれのシーンの背景がひも解かれました。


「ファッションって言葉にできない。見て終わり。説明した時点で駄作になる。説明しなきゃいけないファッションほど、アウトってことだよね」。逆にファッションでしか伝えられないものはなにか? 参加者は明確に掴むことができたのではないでしょうか。


スタイリストが映画を語る、DJが映画を語る。こういった機会は巨大な都市、例えば講師お二人の拠点のひとつである東京では実現しにくいことです。ファッションはファッション、アートはアート、音楽は音楽。それぞれのシーンの規模が大きくて混ざりあうことが難しい。逆に地方都市のメリットは、それぞれのシーンの距離感が近く、このイベントのようなカルチャーミックスが生み出しやすいこと。さらに、広島の街並みに感じるモダンさは、他の都市にはない持ち味だとという、ひとつのヒントも投げかけられました。


最後のテーマは「仁義なき戦い」に見るファッション。ここで講義は終了し、映画上映「仁義なき戦い」に転換していきます。「やっぱりおもしろい。ヤクザ映画ではないと思うんですよ、単純な」。「仁義なき戦いってそんなにお洒落かな?と。でも、松方弘樹の最後のシーン」。「お洒落なんですよ。キメキメなんです」。 
  
 



ONE PLUS ONE 1+1 conference 2013.9.21
OVERVIEW 前身から数え100年を越える歴史を持つ地場発信の映画館「八丁座」。2つのスクリーン、ロビー、カフェなど同館すべての空間を一夜限りのラウンジに。地元フィルム文化への敬意とともに多様な楽しみを提案する場となった。市街地中心部に生まれた異彩な空間は、より多くの若年層に社交の文化をアピール。
Hatchoza is a local movie theater with over 100 years of history since its predecessor. The two screens, the lobby, the cafe, and all other spaces in the same building will be transformed into a one-night-only lounge. It became a place to propose a variety of fun while respecting the local film culture. The unique space created in the center of the city appeals to more young people about the culture of socializing.
GUEST SPEAKER SUKEZANE Tomoki(Stylist)
OKINO Shuya(DJ)
PLACE HATCHOZA
PRODUCE BY ONE PLUS ONE Co., Ltd.
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